AS400棚卸差異・在庫調整のチェックリスト|数量を直す前に見るべき画面と証跡

AS400 / IBM i の在庫管理で「棚卸差異が出たので数量を直したい」と相談されることがあります。ただ、在庫数だけを直接直すと、受払履歴、引当、出荷確定、月次締め、会計連携との整合性が崩れることがあります。現場では、差異そのものよりも「なぜ差異が出たのか」「どのタイミングの処理が抜けたのか」を追うことが大切です。

在庫調整前に見る順番

確認順 見るもの 判断すること
1 品番・倉庫・ロケーション 別倉庫、別ロケーションを見ていないか
2 受払履歴 入荷、出荷、移動、返品、調整のどこで差が出たか
3 引当・出荷予定 実在庫と引当可能数を混同していないか
4 棚卸反映処理 反映前、反映後、二重反映がないか
5 月次締め 締め後の期間に調整を入れていないか

よくある原因

多いのは、出荷確定前のデータを棚卸対象に含めた、返品入庫だけ処理して元出荷との紐付けが残った、ロケーション移動を現場だけで済ませてAS400側に反映していない、というケースです。品番マスタの単位や入り数が変わったあとに、古い単位の受払と新しい単位の在庫を同じ感覚で見てしまうこともあります。

調整を入れる場合は、調整理由、承認者、対象期間、対象品番、調整前後の数量、関連伝票番号を残します。後で請求金額や在庫評価額のズレを調べるとき、この証跡がないと原因調査に時間がかかります。

Codexで調査時間を減らす観点

在庫差異の調査では、ジョブログだけでなく、画面名、処理日、品番、倉庫、担当者、伝票番号を社内の調査記録へそろえます。AIを使う場合は社内規程で許可された範囲に限り、実際の担当者名・伝票番号・品番・データを架空値へ置き換えてから、調査観点の整理に使います。AS400のテーブル名や項目名が社内独自の場合でも、「受払」「引当」「棚卸反映」「月次締め」という業務語で切り分けると、若手にも説明しやすくなります。

差異の起点を見る場合は AS400在庫差異の調べ方、業務画面から追う場合は AS400本番障害の初動チェックリスト、マスタ変更・返品・赤伝の影響は AS400販売管理システム保守ガイド も確認してください。

在庫を直接直す前に止める条件

在庫調整は、数量を合わせる作業に見えても、出荷、請求、棚卸評価、月次締めへ影響します。次の状態では、画面で数量を直接直す前に、業務担当者と処理方針を決めます。

止める状態 確認すること 先に決めること
締め後の期間 月次締め、在庫評価、会計連携 当月調整か翌月調整か
出荷・返品が未確定 出荷確定、返品入庫、赤伝 伝票を直すか在庫だけ直すか
外部倉庫と連携済み WMS、EDI、CSV、FTP送信 相手先側へ再送・訂正が必要か
差異理由が不明 受払履歴、担当者、棚卸入力 調整理由を証跡に残せるか

棚卸差異を物理・取引・マスタの三層に分ける

差異原因を一つの在庫数だけで探さず、現物、取引処理、マスタの三層に分けます。同じ数量差でも、直す場所と再発防止策が変わります。

  • 物理:数え間違い、別倉庫・別ロケーション、未検品、現場移動
  • 取引:入荷、出荷、返品、移動、引当、棚卸反映の未処理や二重処理
  • マスタ:単位、入り数、品番統合、倉庫設定、適用日の変更

調整後は在庫残だけでなく、受払履歴、引当可能数、出荷・返品、在庫評価、WMSやEDIなど外部側の数字も照合します。調整前後の数量、原因区分、関連伝票、承認者を残せば、同じ差異が再発した時に前回対応を検証できます。