AS400 / IBM i の本番障害で「いつからおかしいのか」「IPLや装置エラーがあったのか」「QSYSOPRに何が出ていたのか」を確認する時、DSPLOG と QHST は重要な入口になります。ジョブログだけでは見えないシステム全体の流れを追うための手がかりです。
この記事では、DSPLOG、QHST、QSYSOPR、MSGW(メッセージ待ち)、夜間バッチ、本番障害初動の関係を、AS400保守現場の目線で整理します。
DSPLOGを開く前に対象日をそろえる
コマンド行でDSPLOGを表示し、障害日時を含む期間か確認します。PERIODを省略した場合の既定は当日です。前夜や前日の障害を調べる時は、当日の画面にないという理由で『記録なし』と判断せず、F4のプロンプトで開始日時を確認してください。画面表示では終了日時の指定は無視されるため、各メッセージの時刻を見て調査対象期間と照合します。
対象期間を絞り、メッセージID・時刻・関連ジョブを控えます。同じ秒に出たメッセージでも因果関係は別途確認します。仕様はIBM公式のDSPLOG PERIOD説明を参照してください。
DSPLOGで最初に見ること
- 障害が始まった時刻の前後
- IPL、サブシステム停止、装置エラー、通信エラーの有無
- 同じメッセージが繰り返されていないか
- QSYSOPRやMSGWと関係するメッセージがないか
- 夜間バッチ、印刷、バックアップ、外部接続の時間帯と重なるか
QHSTを見る時の考え方
QHSTは、システム履歴ログとして障害前後の流れを確認する時に使われます。特定ジョブのジョブログだけでは分からない、システム全体のメッセージ、装置、通信、サブシステム、運用操作の前後関係を見るのに役立ちます。
ジョブログだけで判断しない
ジョブログには対象ジョブの情報が残りますが、システム全体で起きた変化はDSPLOGやQSYSOPRを見た方が早いことがあります。たとえば、夜間バッチが遅い、印刷が止まる、外部接続が切れる、バックアップが終わらない時は、対象ジョブとシステムログの両方を確認します。
QSYSOPRの確認は QSYSOPR・DSPMSG・WRKMSGQの確認ポイント、本番障害の初動は 本番障害の初動対応チェックリスト も確認してください。
QHSTで時系列を見た後にWRKPRBで記録を確認する
DSPLOG/QHSTで障害の時系列を追えたら、必要に応じて WRKPRB / ANZPRB の問題ログ も確認します。QHSTは流れを見る入口、WRKPRBは問題番号や未対応状態の有無を確認する入口として分けると、保守会社や社内担当への説明がしやすくなります。
ログを一枚の時系列表にまとめる
DSPLOG、QHST、QSYSOPR、対象ジョブのジョブログを別々に読むだけでは、前後関係を見落とします。発生時刻の少し前から復旧確認までを、一枚の時系列表へ並べます。
- 時刻:秒まで分かる範囲でそろえ、システム時刻の差にも注意する
- 情報源:DSPLOG、QHST、QSYSOPR、ジョブログ、運用操作を区別する
- 事実:メッセージID、ジョブ状態、装置・通信状態、実行した操作
- 結果:業務影響、復旧確認、未確認事項、次に調べる場所
原因候補は事実と別の列に書きます。これにより、推測を確定事項として引き継ぐことを避け、同時刻に起きたシステム側の変化と業務ジョブの異常を照合できます。
参考:IBM公式ドキュメント(DSPLOG)
本記事で扱った DSPLOG の全パラメーターと表示項目の定義は、IBM公式ドキュメントで確認できます。指定できる値や既定値はOSリリースによって異なるため、本番環境では自社のリリースに合わせて確認してください。