AS400でGit・ソース管理を始める手順|RPG/CL保守とAI活用の前に整えること

AS400 / IBM i のRPGやCL保守では、ソースをライブラリやメンバーで管理している現場が多くあります。一方で、担当者交代、AI活用、レビュー、変更履歴、障害時の切り戻しを考えると、Gitやソース管理の考え方を少しずつ取り入れる価値があります。

この記事では、AS400現場でGit・ソース管理を始める前に確認することを、ソース所在、コンパイル手順、変更管理、レビュー、CodexなどのAI活用に分けて整理します。いきなり本番運用を変えるのではなく、まず「読める・戻せる・説明できる」状態を作るための入口です。

最初に棚卸しするもの

確認項目見る理由関連ページ
ソースライブラリどこが正本か分からないとGit化できない開発ツール比較
ソース物理ファイルQRPGSRC、QCLSRC、QDDSSRCなどを整理するRPGの読み方
コンパイル手順変更後に同じ手順でオブジェクトを作れるようにするRPG保守入門
参照関係変更影響を確認するDSPPGMREF影響調査
バッチ・JOBDコンパイル後の実行経路を把握するJOBQ・JOBSCDE確認

Git化する前に決めること

Gitは便利ですが、AS400の運用にそのまま当てはめると混乱することがあります。ソースの正本、反映タイミング、レビュー担当、コンパイル責任、緊急修正時の扱いを決めてから始めるのが安全です。

  • Git上のソースとIBM i上のソースメンバーのどちらを正本にするか
  • 本番反映前にレビューを必須にするか
  • 変更理由、依頼番号、障害番号をコミットに残すか
  • コンパイルリストやエラーをどこに保存するか
  • 緊急修正後にGitへ戻すルールをどうするか

いきなりやらない方がよいこと

  • 正本を決めずに一部ソースだけGitへコピーする
  • 本番ソースを直接書き換える運用のままAI生成コードを混ぜる
  • コンパイル手順やライブラリリストを記録せずに変更する
  • ジョブ、画面、帳票、外部連携の影響調査なしに反映する
  • 担当者だけが分かるローカル手順を正式手順にしてしまう

AI活用とソース管理

CodexなどのAIをAS400保守に使う場合、ソース管理はさらに重要になります。AIにRPGやCLを読ませる前に、対象範囲、機密情報、変更禁止箇所、テスト観点、レビュー担当を決める必要があります。AIが出した修正案も、人間が差分を確認し、コンパイルと業務影響を検証してから反映します。

AI活用の進め方は、AS400向けCodex研修と、AS400保守にCodexを使う時の考え方も合わせて確認してください。

小さく始める手順

最初は、本番運用を変えずに読み取り専用の棚卸しから始めます。主要プログラム、主要CL、DDS(データ記述仕様)、コンパイル手順、ジョブログ、夜間バッチの流れを整理し、Gitに置く場合も「現状記録」として扱うのが安全です。

  • 変更頻度の高いRPG/CLを10本だけ選ぶ
  • ソース、関連DDS、コンパイルコマンド、実行ジョブを記録する
  • Gitへ保存し、変更履歴を見える化する
  • レビュー観点を作る
  • 次にCodexで読みやすい説明メモを追加する

まとめ

AS400のGit・ソース管理は、流行の開発手法をそのまま入れる話ではありません。ソースの正本、コンパイル手順、変更理由、レビュー、切り戻しを見える化し、RPG/CL保守を属人化から少しずつ外すための基盤です。AI活用やCodex研修を進める前にも、まずソース管理と変更管理を整えておくと安全です。

Git管理はCodex活用の前提にもなる

AS400のRPG/CL保守でCodexを使うなら、変更前後の差分、修正理由、テスト結果を残せる状態にしておくことが重要です。Gitで差分を確認できると、AIに「どこが変わったか」「影響範囲はどこか」「テスト観点は足りているか」を聞きやすくなります。実務導入の流れは AS400保守でCodexを使う考え方Codex実戦研修 へつなげてください。

一つのRPG変更からGitを始める例

最初から全ソースを移すのではなく、変更頻度が低く依存関係を確認しやすいRPGとCLを一組選び、管理方法を試します。

確認点確認内容判断
基準版ソースメンバー、ライブラリ、CCSID、コンパイル条件を記録して取り込むIBM i上の現行版とGitの初期版を一致させる
変更作業単位で差分、理由、レビュー、関連CLやDDSを残すソースだけ変更しコンパイル条件を失わない
反映ビルド対象、オブジェクト退避、テスト、承認、配布結果を記録するGitへの登録を本番反映完了と同一視しない

試行では、IBM i側だけの緊急修正をGitへ戻す手順も確認します。差分が二つの場所へ分かれたままにならない運用を決めてから対象を広げます。