AS400 / IBM i の保守で大きな課題になるのが、若手エンジニアの育成です。コマンドやRPG/CLだけを教えても、利用者と会話できない、業務を理解できない、障害時に判断できない状態では現場で困ります。育成は、技術と業務と運用を分けて段階的に進めます。
育成の順番
| 段階 | 教えること | 到達目標 |
|---|---|---|
| 基本操作 | 5250、WRK系、DSP系、ジョブログ | 自分で状況確認できる |
| 業務理解 | 在庫照会、請求締め、出荷確定 | 利用者の言葉で聞ける |
| RPG/CL | 呼び出し、ファイル、バッチ、帳票 | 小改修と影響調査ができる |
| 障害対応 | MSGW、CPF/RNX、再実行、戻し | 初動を間違えない |
| 設計 | 業務フロー、テスト、リリース | 作る前に整理できる |
業務を知らないと保守できない
AS400の保守では、プログラムを読めるだけでは足りません。請求締めで何が確定するのか、出荷確定でどの在庫が減るのか、帳票がどこへ渡るのかを理解していないと、修正の影響を判断できません。
問い合わせ対応を訓練に入れる
若手には、エラー調査だけでなく、利用者から何を聞くかも教える必要があります。発生時刻、業務名、画面名、メッセージID、再現条件を聞けるだけで、調査速度は大きく変わります。
学習順は AS400初心者向け学習ロードマップ、基本は AS400初心者向け完全ガイド、属人化対策は AS400保守の属人化を減らす方法 を参照してください。
Codex研修で伸ばせる部分
Codexは、ジョブログの読み方、影響調査メモ、問い合わせ整理、テスト観点の作成を練習する道具になります。若手が調査時間を減らすには、AIに丸投げするのではなく、確認順を学ぶことが大切です。
関連: AS400現場でAI研修を社内承認してもらう説明資料の作り方|調査時間削減を数字で伝えるもあわせて確認してください。
4週間で到達点を確認する育成例
想定例として、若手担当者が問い合わせの一次切り分けを自力で進められるところまでを4週間の到達点にします。コマンドの暗記数ではなく、確認した事実と未確認事項を説明できるかで評価します。
| 確認点 | 確認内容 | 判断 |
|---|---|---|
| 1週目 | 5250操作、ライブラリ、ジョブ、メッセージIDの意味を学ぶ | 日次確認表を自分の言葉で説明できる |
| 2週目 | テスト用ジョブログから最初の異常メッセージを探す | 最後のメッセージだけで原因を決めない |
| 3週目 | RPGとCLの呼び出し関係、参照ファイル、実行条件を整理する | 影響範囲をレビュー担当へ説明できる |
| 4週目 | 障害想定で確認順、連絡先、停止判断を演習する | 本番変更を単独実行せず、エスカレーションできる |
育成記録には、できた操作だけでなく、判断に迷った点、確認を止めた理由、次に誰へ相談するかを残します。これにより、知識量だけでは見えない安全な行動が評価できます。
各週のレビューでは、指導者が答えを先に示さず、若手担当者に「次に何を確認するか」「その操作を本番で止める条件は何か」を説明してもらいます。演習用のユーザーとデータを使い、実在する顧客情報や本番パスワードは教材へ含めません。理解が不十分な項目は翌週へ持ち越すだけでなく、再演習日と確認者を決めます。最終日は同じ障害例をもう一度使い、確認順と報告内容が改善したかを初回記録と比較します。評価表には、根拠に使った画面やジョブログと、相談が必要だった理由も記録します。
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若手育成では、RPGやCLだけを教えるより、基本操作、障害時の確認順序、よく使うコマンドを同じ道筋で覚える方が現場に早くなじみます。
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