AS400の基本操作は、コマンドを暗記するより「何を確認するために使うか」を覚えることが大切です。 この記事では、初心者が最初に使いやすい10個を、ライブラリ、オブジェクト、ソース、ファイル、ジョブの順に整理します。
AS400とIBM iの関係や基幹業務での役割がまだ曖昧な場合は、先に AS400とは何かを初心者向けに整理した記事 を確認してください。
コマンドを入力する前に確認すること
- 本番・検証・開発のどの環境にいるか
- 対象ライブラリを省略してよいか
- 表示だけのコマンドか、状態を変更するコマンドか
- 実行後にどの画面・ジョブログ・データを確認するか
- 不明なパラメーターはF4でプロンプトを開いて確認したか
同じオブジェクト名でもライブラリが違えば別物です。初心者のうちは、可能な範囲で LIB/OBJ のようにライブラリを明示し、参照先を目で確認してからEnterを押します。
AS400基本コマンド10選
| コマンド | 主な目的 | 注意度 |
|---|---|---|
WRKLIB | ライブラリを探す | 参照中心 |
WRKOBJ | オブジェクトを探す | 選択肢の操作に注意 |
WRKMBRPDM | ソースメンバーを確認する | 編集・削除の選択肢に注意 |
DSPFD | ファイル全体の属性を見る | 参照 |
DSPFFD | フィールド定義を見る | 参照 |
DSPJOBLOG | ジョブログを見る | 参照 |
WRKJOB | ジョブの状態を詳しく見る | 選択肢の操作に注意 |
DSPOBJD | オブジェクト属性を見る | 参照 |
ADDLIBLE | 現在ジョブのライブラリリストへ追加する | 実行環境が変わる |
CALL | プログラムを実行する | 更新処理の実行に注意 |
ライブラリとオブジェクトを確認する
1. WRKLIB
ライブラリが存在するか、名前が合っているかを確認します。
WRKLIB LIB(TESTLIB)
2. WRKOBJ
指定ライブラリ内のプログラム、ファイル、コマンドなどを探します。オブジェクトタイプまで分かる場合は絞り込むと安全です。
WRKOBJ OBJ(TESTLIB/TEST*) OBJTYPE(*ALL)
3. WRKMBRPDM
PDMを利用できる環境で、ソースファイル内のメンバーを確認します。RPGなら QRPGLESRC、CLなら QCLSRC がよく使われますが、現場独自のソースファイルもあります。
WRKMBRPDM FILE(TESTLIB/QRPGLESRC)
4. DSPOBJD
オブジェクトのタイプ、所有者、作成日時、変更日時などを確認します。同名オブジェクトの取り違え調査にも使います。
DSPOBJD OBJ(TESTLIB/TEST001R) OBJTYPE(*PGM)
ファイル定義を確認する
5. DSPFD
ファイルの種類、レコード長、キー、メンバー数、参照関係など、ファイル全体の属性を確認します。
DSPFD FILE(TESTLIB/FILEA)
6. DSPFFD
フィールド名、桁数、データ型、小数桁、見出しを確認します。RPG修正、CSV出力、帳票修正の前に実際の定義を見る時に使います。
DSPFFD FILE(TESTLIB/FILEA)
使い分けは DSPFFD・DSPPFMの違い で詳しく整理しています。
ジョブとエラーを確認する
7. DSPJOBLOG
現在のジョブ、または指定したジョブのメッセージを確認します。最後のエラーだけでなく、その直前に何が実行されたかを追います。
DSPJOBLOG
8. WRKJOB
ジョブの状態、ジョブログ、スプール、ライブラリリスト、呼び出しスタックなどを確認する入口です。対象ジョブを間違えないよう、ジョブ名・ユーザー・番号を確認します。
WRKJOB JOB(123456/USERA/JOBNAME)
活動中のジョブ全体を見る場合は WRKACTJOBの見方、ジョブログを追う場合は WRKJOBとDSPJOBLOGの使い方 へ進んでください。
実行環境を変える・プログラムを動かす
9. ADDLIBLE
現在のジョブのライブラリリストへライブラリを追加します。参照先が変わるため、追加前後に DSPLIBL で順序を確認し、テスト後は元へ戻す手順も決めます。
ADDLIBLE LIB(TESTLIB) POSITION(*FIRST)
10. CALL
プログラムを実行します。参照処理とは限らず、データ更新、帳票作成、外部送信を行う可能性があります。プログラムの役割とパラメーターを確認できない場合は、本番で実行しません。
CALL PGM(TESTLIB/TEST001R)
初心者が最初に使いやすい3つ
| 目的 | 最初のコマンド | 次の行動 |
|---|---|---|
| 動いている処理を見る | WRKACTJOB | 対象ジョブを WRKJOB で深掘りする |
| ソースを探す | WRKMBRPDM または STRPDM | ライブラリとソースファイルを確認する |
| エラーの流れを見る | DSPJOBLOG | 直前メッセージ、対象ファイル、実行ユーザーを確認する |
軽い気持ちで実行しないコマンド
| 例 | 危険な理由 | 実行前に必要なこと |
|---|---|---|
CLRPFM | メンバー内のデータを消去する | 対象、バックアップ、復旧方法を確認する |
DLTOBJ | オブジェクトを削除する | 依存関係と戻し方法を確認する |
ENDJOB | 処理途中でジョブを終了する | 業務影響と再実行可否を確認する |
ENDSBS | 複数の利用者・ジョブへ影響する | 停止範囲、連絡、再開手順を確認する |
RSTOBJ | 既存オブジェクトを上書きする可能性がある | 復元先、世代、所有者、権限を確認する |
症状から次の確認先を選ぶ
- ジョブが止まった: MSGW対応
- CPFエラーが出た: CPFエラーの調べ方
- 帳票が出ない: スプール・OUTQ確認
- 目的に合うコマンドが分からない: AS400コマンド逆引き
- 一覧で探したい: AS400コマンド一覧
社内教育でそろえるポイント
コマンド名だけでなく、実行前に見る環境、表示結果のどこを読むか、異常時に誰へ確認するかまで同じ順番で教えると、若手が本番で迷いにくくなります。既存ソースと実際の画面を題材にした法人向け支援は、AS400 / IBM i Codex研修の内容・料金 で確認できます。
参考
まとめ
最初は参照系コマンドで事実を確認し、ライブラリ、オブジェクト、ジョブ、ジョブログ、ファイルを結び付けて覚えます。状態を変えるコマンドやプログラム実行は、環境、影響、戻し方が分かるまで本番で実行しないことが基本です。
