AS400 / IBM i の運用は、障害が起きてから慌てるより、毎月の点検で少しずつ崩れを見つける方が安定します。バックアップ、権限、夜間バッチ、ジョブログ、FTP連携、資料、保守契約を月次で確認するだけでも、属人化や障害の芽を早めに拾えます。
月次で見る項目
| 項目 | 確認すること | 見る記事 |
|---|---|---|
| バックアップ | 取得結果、復旧手順、媒体 | バックアップ・復旧チェックリスト |
| 権限 | 退職者ID、特殊権限、監査 | セキュリティ点検 |
| 夜間バッチ | MSGW、遅延、再実行手順 | ジョブスケジュール運用 |
| 外部連携 | FTP、CSV、EDI、文字化け | EDI・外部連携トラブル |
| 資料 | ジョブ一覧、手順書、設計書 | 設計書・運用資料の棚卸し |
| 契約 | 保守範囲、夜間対応、改修 | 保守契約見直し |
点検結果を残す
点検は、見るだけでなく記録に残すことが大切です。異常なし、気になる点、次月対応、担当者、確認日を残すと、担当者が変わっても運用状態を追いやすくなります。
Codexで点検表を作る
Codexには、匿名化した点検項目や確認結果を渡すと、月次点検表や報告メモを整えやすくなります。実ユーザー名や接続情報は入れず、運用改善の型作りに使います。
月次点検は事故予防の材料にする
月次点検は、バックアップやジョブを見て「異常なし」と書くだけで終わらせない方が効果的です。退職者ID、特殊権限、JOBQ滞留、PTF未適用、障害時のリラン手順など、事故が起きてから探すと時間がかかる項目を毎月少しずつ整えます。
| 月次で見る観点 | 確認の意味 | 次に読むページ |
|---|---|---|
| 権限・ID | 退職者ID、共用ID、特殊権限が残っていないかを見る | 権限・監査チェックリスト |
| ジョブ・MSGW | 夜間バッチ遅延や返信待ちの前兆を見つける | MSGW早期検知 |
| バックアップ | 取れているだけでなく、戻せる状態かを見る | バックアップ・復旧チェックリスト |
| PTF・バージョン | 保守切れや未適用PTFを更改判断と分けて管理する | バージョン・PTF確認 |
| 資料・引き継ぎ | ジョブ一覧、手順書、障害メモを更新する | 設計書・運用資料の棚卸し |
月次点検メモに残すこと
点検結果は、チェックした事実と次に直すことを分けて残します。「確認済み」だけでは、翌月に同じ問題を見落としやすくなります。担当者が変わっても追えるように、確認日、確認者、対象、結果、次月対応、保留理由を1行で残すのが現実的です。
- バックアップは取得結果だけでなく、復旧手順の所在も書く
- 権限は追加・削除・保留を分け、保留理由を残す
- ジョブやMSGWは発生時刻、対象業務、対応者を残す
- 資料は更新日と次に直す章を残す
- 未対応は次回会議の議題として残す
月次点検は前月差と対応期限まで残す
月次点検では、今月の状態だけでなく前月から何が変わったかを確認します。バックアップが成功していても実行時間が大きく延びた、MSGWの件数が増えた、ASP使用率が上がった、共用IDが増えた、といった差分は障害の前兆になることがあります。
| 観点 | 前月と比べる内容 | 対応を決める目安 |
|---|---|---|
| バックアップ | 成否、開始・終了時刻、所要時間、媒体や保存先 | 失敗、時間の急増、復旧手順が見つからない |
| ジョブ・MSGW | 遅延、異常終了、同じメッセージの再発 | 業務開始に影響する、手作業の返信が増えている |
| 容量 | ASP使用率、SAVF・スプール・ログの増加 | 増加理由を説明できない、決めたしきい値に近づく |
| 権限・ID | 退職・異動者、共用ID、特殊権限の増減 | 所有者や利用目的を説明できないIDが残る |
| 資料・手順 | ジョブ変更、連携先変更、担当者変更の反映 | 実際の運用と手順書が一致しない |
要対応の項目には、担当者、期限、次回確認日を付けます。「異常なし」と「未確認」を分け、確認できなかった理由も残すと、翌月に同じ箇所を見落としにくくなります。
月次点検の次に確認する記事
月次点検を証跡付きで回す例
毎月「問題なし」とだけ記録せず、確認対象、基準日、結果、未対応、担当を残します。月末後の点検を例に整理します。
| 確認点 | 確認内容 | 判断 |
|---|---|---|
| バックアップ | 直近結果、未保存、媒体・世代、復元サンプルを確認する | 成功表示だけで復元可能と判断しない |
| 運用 | 異常終了、MSGW、長時間ジョブ、容量、スプール滞留を確認する | 前月からの増減と未解消を追う |
| 管理 | 退職者ID、過剰権限、期限切れ手順書、連絡先を確認する | 技術設定と運用資料を同じ月次記録へ残す |
未対応項目には期限、責任者、暫定対策を付けます。前月の未対応が自動的に消えない一覧にすると、点検そのものが目的化するのを防げます。