Claude Codeは、Anthropicが提供しているAIコーディング支援ツールです。公式ドキュメントでは、コードベースを読み、ファイル編集やコマンド実行を行い、開発ツールと連携できるエージェント型のコーディングツールとして説明されています。
では、AS400 / IBM i の保守でClaude Codeは使えるのでしょうか。結論から言うと、RPG/CLソースの読解、処理概要の整理、調査観点の洗い出し、テスト観点作成には使えます。ただし、AS400実機への接続、本番環境の操作、顧客情報を含む調査には慎重なルールが必要です。
この記事では、Claude CodeをAS400保守で使うなら何に向いているか、Codexとどう考え方を分けるか、RPG/CL読解で気をつける点を現場目線で整理します。
参考: Claude Code公式ドキュメント(2026年6月時点で確認)
現場メモ: AS400保守でAIを使う時に大事なのは、どのAIを使うかだけではありません。RPG/CL、ジョブログ、ファイル定義、ライブラリリスト、業務影響を理解した人が、AIの出力をどうレビューするかが重要です。
Claude CodeでできそうなAS400保守作業
Claude Codeは一般的な開発支援ツールなので、AS400専用ツールではありません。ですが、RPGやCLのソースをテキストとして扱えるなら、調査補助として使える場面はあります。
| 作業 | 使えそうか | 理由 |
|---|---|---|
| RPGソースの処理概要整理 | 使える | 入力、主処理、出力、CALL関係を文章化しやすい |
| CLの流れ整理 | 使える | CALL、OVRDBF、SBMJOB、MONMSGの流れを追いやすい |
| 単体テスト観点作成 | 使える | 正常系、異常系、最大桁・境界値、件数増加などを洗い出しやすい |
| ジョブログ解析 | 注意して使える | メッセージ周辺だけをマスキングして渡すなら補助になる |
| 本番データ更新 | 使わない | 誤更新時の影響が大きすぎる |
| 本番環境のコマンド実行 | 使わない | AS400の環境差、権限、ライブラリ指定のリスクが高い |
CodexとClaude CodeをAS400保守でどう使い分けるか
CodexとClaude Codeは、どちらも開発支援に使えるAIツールです。AS400保守で見ると、違いそのものよりも「何を任せるか」を分けることが大切です。
| 観点 | Codexで考えやすい作業 | Claude Codeで考えやすい作業 |
|---|---|---|
| ソース読解 | RPG/CLの処理概要、影響範囲整理 | コードベース全体の整理、修正方針の文章化 |
| 調査補助 | プログラム調査、CALL関係、テスト観点 | 複数ファイルをまたぐ整理、レビュー観点作成 |
| テスト | テストデータ作成、単体テスト観点 | テスト観点やチェックリストの整理 |
| 現場導入 | AS400保守に寄せた研修導入と相性がよい | 一般開発チームのAI導入検討と相性がよい |
| 注意点 | 本番操作禁止、情報マスキング、人間レビュー | 本番操作禁止、情報マスキング、人間レビュー |
どちらを使う場合でも、AS400の本番環境や顧客情報を直接扱わせないこと、生成コードは人間がレビューすること、検証環境で動作確認することは変わりません。
RPG/CL読解でClaude Codeに聞くなら何を聞くか
Claude CodeにRPGやCLを読ませるなら、質問は具体的にした方がよいです。「このソースを調べて」だけでもある程度は返ってきますが、AS400保守では観点を指定した方が実務に近い回答になります。
質問例 このRPGソースについて、 1. 入力ファイル 2. 更新ファイル 3. CALLしている外部プログラム 4. 配列・桁あふれ・未初期化のリスク 5. 単体テストで見るべき観点 を整理してください。
CLの場合は、CALL順、OVRDBF、SBMJOB、MONMSG、ライブラリ指定、ジョブキューなどを確認します。特に MONMSG CPF0000 のような広いエラー吸収は、処理によっては危険です。
CLの読み方は、AS400のCLとは?初心者向けに読み方と保守ポイントを解説でも整理しています。
Claude Codeに読ませる前の安全チェック
AS400のソースやログをAIに渡す前には、最低限次のチェックをします。これはClaude Codeに限らず、Codexや他のAIツールでも同じです。
- 本番ライブラリ名がそのまま入っていないか
- 顧客名、店舗名、取引先名が入っていないか
- ユーザーID、ジョブ名、ジョブ番号が必要以上に残っていないか
- 個人情報や取引情報が含まれていないか
- 本番DBの値をそのまま貼っていないか
- AIの出力を誰がレビューするか決まっているか
AIに渡す情報は、処理構造を理解するために必要な範囲だけにします。AS400は会社ごとの運用ルールが強く出るため、同じコマンドや同じRPGでも、現場によって判断が変わることがあります。
AS400現場でClaude Codeを使うなら、最初は調査補助から
AS400現場でClaude Codeを試すなら、最初は調査補助から始めるのが安全です。RPGの処理概要整理、CLの流れ整理、ファイル参照の確認、単体テスト観点作成など、直接本番に影響しない作業から使う方がよいです。
いきなり本番環境に接続してコマンドを実行させたり、本番データ更新SQLを書かせたりするのは避けるべきです。AIは速いですが、AS400の現場では「速い」より「事故らない」ことの方が大事です。
AS400でCodexを使う場合の考え方は、AS400保守でCodexはどこまで使えるのか?にもまとめています。ツール名が変わっても、安全運用の考え方は共通です。
AS400開発で、そこまで最先端を追い続けるのか
ここで、AS400開発の現場を考えてみます。
私たちが日常的に行うのは、次のような作業です。
- RPGやCLの処理概要を整理する
- 参照・更新ファイルとCALL関係を調べる
- ジョブログから最初の原因メッセージを探す
- 修正時の影響範囲を洗い出す
- 単体テストや戻しの観点を作る
- 調査メモや引き継ぎ資料を整える
もちろんAIの性能は高い方が助かります。しかし、AS400保守で結果を左右するのは、モデルの新しさだけではありません。
ライブラリリスト、ジョブ記述、ファイルの関係、締め処理、EDI、再実行条件など、現場固有の前提を正しく渡せるか。出てきた回答を人がソースやジョブログと照合できるか。こちらの方が重要です。
最先端モデルを使っても、前提が間違っていれば回答も外れます。反対に、必要な情報を整理して渡せば、少し後から登場した選択肢でも十分に役立ちます。
私は「少し待てる」のでCodexを選ぶ
Claude Codeで新しい機能が発表されると、正直、気になります。
しかしAS400保守の仕事で、その機能を今日から使えなければ困る場面は多くありません。
私の感覚では、しばらく待つとCodex側でも、日常の調査や文書化で不足を感じない状態になることが多いのです。「またCodexが追いついてきたな」と思うことがあります(笑)。
ここでいう「しばらく」は、必ず1か月という意味ではありません。機能によって数週間の場合もあれば、もっと時間がかかる場合もあります。両者の性能が完全に同じになるという意味でもありません。
それでも、AS400保守で必要な作業ができるなら、私は少し待てます。
その待てる時間が、Codexを選ぶ大きな理由です。
「Codexは安い」と言い切らない
料金については、少し注意が必要です。
Claude Codeにはサブスクリプション内の利用枠とAPI従量課金があり、Codexにも契約プラン、クレジット、モデル、使用量に応じた料金があります。どちらも使い方次第で費用は変わります。
したがって、「誰が使ってもCodexの方が安い」とは言えません。
私が言いたいのは、著者のAS400保守という用途では、Codexの費用対効果が合っているということです。
最新機能を常に最速で使うための費用より、RPG/CL解析、ジョブログ整理、テスト観点、文書化を継続して回せることを重視しています。瞬間的な性能差ではなく、毎月使い続けられるかで判断しています。
料金や利用条件は変わるため、導入時には必ず両社の公式ページと実際の利用量を確認してください。
薬にたとえると分かりやすい
私の感覚を薬にたとえると、Claude Codeは先に登場する新薬、Codexは少し後から選べる費用対効果重視の薬に近いです。
新薬には、最初に使える価値があります。今すぐその機能が必要な人には、先行する選択肢が合います。
一方で、急がない人は少し待ち、必要な効果と費用の釣り合いを見て選べます。AS400保守での私は後者です。
ただし、これは導入タイミングと費用対効果を説明するための比喩です。CodexがClaude Codeのコピーである、両者の中身が同じである、医薬品のジェネリックと同じ関係である、という意味ではありません。
AS400保守で私がCodexに任せたいこと
私がCodexへ期待しているのは、派手な自動開発だけではありません。
読みにくいRPG/CLを整理する。長いジョブログの時系列をまとめる。変更時の確認漏れを減らす。若手へ説明する資料を作る。こうした地味ですが毎日発生する作業を、無理のない費用で繰り返し手伝ってもらうことです。
もう一つ、大きな理由があります。私はCodexとの間に、仕事を重ねてきた信頼関係があるから任せられるのです。
ここでいう信頼は、回答を盲信することではありません。何を任せ、どこを人が確認し、問題があればどう戻すか。その境界を毎日の作業で確かめてきました。指示の出し方と確認の仕方を積み上げてきた相手だから、安心して次の仕事も頼めます。
AS400保守は一度コードを書いて終わりではありません。何年も使うシステムを、安全に直し、調べ、引き継ぐ仕事です。
その仕事では、最新機能を一番乗りで使うことより、十分な能力を持つ道具を継続して使えることの方が価値を持つ場合があります。
まとめ
Claude Codeは、AS400専用のツールではありません。しかし、RPG/CLソースを読ませて処理概要を整理したり、テスト観点を作ったり、調査の抜け漏れを減らしたりする使い方は十分に考えられます。
ただし、本番環境、本番データ、顧客情報、リカバリー作業には踏み込ませないこと。AIを使うほど、人間側の業務理解、レビュー、検証、責任範囲が重要になります。
法人やSIerで導入ルールを決める場合は、AS400開発会社・SIerがCodexを使う前に決めておくべきルールも参考にしてください。
AS400の全体像を先に整理したい場合は、AS400総合ガイドから読むと、基本操作、RPG/CL保守、ジョブログ、本番対応のつながりを確認できます。
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Claude CodeやAIでRPG/CLを読む時も、AS400基本、障害時の確認順、実際に使うコマンドを人が判断できる状態にしておくことが前提です。