MSGWはメッセージの応答待ちというジョブ状態です。返答文字は共通の復旧コマンドではありません。まず照会メッセージのIDと二次レベルの説明を開き、そのメッセージで有効な返答、実行される処理、既定値を確認します。
C・I・R・D・Gの意味と、選ぶ前の判断表
次の表はCLの既定の例外処理と、ILE RPGの該当する照会の例です。すべてのMSGWでこの5文字を使えるわけではありません。実際に表示された説明を優先してください。
| 返答例 | 意味の例 | 判断に必要な確認 |
|---|---|---|
| C | プログラム/プロシージャの取消 | 途中更新と後続処理への影響を確認。ジョブ全体が終わるかは呼出し側の例外処理にもよる |
| I | CLではメッセージを無視して次のコマンドへ進む | 失敗した処理を飛ばしても業務上成立する根拠と承認が必要。成功した扱いにはしない |
| R | CLでは失敗したコマンド、該当するILE RPG照会では失敗した入出力操作を再試行 | 原因の解消、途中更新、二重処理、再開位置を確認。バッチ全体の再投入とは別 |
| D | ダンプを取得して取消 | ダンプを取るだけではない。終了する処理、呼出し側への影響、復旧手順も確認 |
| G | 該当するILE RPG照会ではGet Input。RPGサイクルの入力処理(*GETIN)へ戻る | Rと同じ再試行ではない。処理がどこから再開し、処理中のデータがどう扱われるかを開発担当と確認 |
仕様の確認先:IBM公式:CLの未監視メッセージ処理、IBM公式:ILE RPGの未処理の例外。
例:ロック待ちならRを返してよいか
以下は判断を練習するための架空例です。請求バッチがレコードロックで停止し、Rが再試行として提示されているとします。ロックが解消したという連絡だけでは返信しません。対象ジョブとメッセージ詳細を保存し、停止位置までの請求更新、帳票作成、外部送信がどこまで済んだかを確認します。
再試行する操作と途中更新の整合性が確認でき、責任者が承認した場合に限り、定めた手順で返信します。更新範囲が不明なら、MSGWを消すことを目的にR・I・Gを試さず、開発担当と復旧方法を決めます。返信後はジョブの終了状態に加えて、請求件数・金額・後続送信を照合します。
返答前に「リラン前提か、戻し前提か」を分ける
MSGWの返答は、選択肢の意味だけで決めると危険です。現場では、返答によって後続処理が進む場合があります。夜間バッチ、EDI、請求締め、出荷確定のように相手先や後続処理が絡む場合は、返答前にリラン前提なのか、更新前データを確認して戻す前提なのかを分けます。
- 直前のジョブログで、本当の原因メッセージを確認する
- 返答後に自動で後続処理が流れるかを確認する
- ファイル更新済みなら、途中更新の範囲と復旧材料を確認する。DSPJRNは対象期間の記録がある場合に使い、更新前イメージが取得・保持されているかも確かめる
- 本番データ修正が必要なら、承認と戻し手順を先に決める
- 判断に迷う時は、単独で返答せず業務担当者と確認する
返答後の復旧判断はジャーナルと更新履歴の確認手順、更新前データの確認は本番データ修正チェックリストへ進むと整理しやすくなります。
返信した後に、後続処理と説明材料を確認する
MSGWは返信した瞬間に終わりではありません。返信後にジョブがどう動いたか、後続バッチが流れたか、リランが必要か、データを戻す必要があるかを確認して、翌朝説明できる形に残します。
| 返信後に見ること | 確認する理由 | 次に読む記事 |
|---|---|---|
| ジョブが正常終了したか | 返信後に後続処理へ進んだか、別のCPF/RNXで止まっていないかを見る | AS400CPFエラー一覧|よく見るCPFメッセージと確認ポイント |
| リランが必要か | 途中終了、二重実行、未処理データの有無を分ける | 本番障害の初動対応 |
| データ復旧が必要か | 更新済みデータ、バックアップ、更新前後の確認を整理する | AS400データ復旧手順 |
| 更新履歴を追えるか | ジャーナルやDSPJRNで更新前後を追える場合がある | ジャーナルとDSPJRNの確認手順 |
| 再発時に通知されるか | 夜間バッチ停止を翌朝まで放置しないよう検知ルールを見直す | MSGW早期検知とメール通知 |
特に夜間バッチや締め処理では、返信者、返信内容、判断理由、確認したジョブログ、後続処理の状態を残しておくと、次回同じMSGWが出た時の判断が速くなります。
返答判断メモは五項目で残す
MSGW対応を属人化させないため、返答した時刻、ジョブ名、原因メッセージID、選んだ返答と理由、返答後の結果を文字で残します。画面の画像だけでは後から検索しにくいため、承認者と後続処理の確認結果も一緒に記録すると、翌朝の引き継ぎや再発時の比較に使えます。
- 返答時刻、ジョブ名、ユーザー
- 原因メッセージIDと確認したジョブログ
- 返答文字、判断理由、承認者
- 後続ジョブとデータ更新の確認結果
- リランや追加調査の要否
MSGWの返答判断を、研修で標準化する
MSGWは、急いで返答すると二次障害につながることがあります。法人向けCodex研修では、詳細メッセージ、ジョブログ、後続処理、リラン可否を見てから判断する流れを、現場のルールとして整理します。