AS400 / IBM iを長く使うには、IBM iバージョンアップ計画を避けて考えることはできません。古いまま動いているから大丈夫、ではなく、保守、セキュリティ、周辺接続、運用担当者の引き継ぎまで含めて、いつ更新するかを決めておく必要があります。
バージョンアップは、OSだけを上げる作業ではありません。RPG/CL、QUERY、帳票、外部連携、5250、プリンター、ODBC/JDBC、FTP、バックアップ、ジョブスケジュール、利用者テストを含むプロジェクトとして扱います。
計画前に確認する項目
| 項目 | 確認内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 現行バージョン | IBM iバージョン、累積PTF、グループPTF | 更新経路を決める |
| アプリ互換 | RPG/CL、DDS、QUERY、古いツール | 業務停止を防ぐ |
| 外部接続 | ACS、ODBC/JDBC、FTP、IFS、EDI、プリンター | 切替後の接続事故を防ぐ |
| バックアップ | フルバックアップ、戻し手順、復元テスト | 切戻し判断を可能にする |
| 利用者テスト | 照会、更新、締め、帳票、外部送受信 | 業務目線で確認する |
バージョンアップ前に棚卸する処理
- 日次・月次・年次バッチ
- 請求締め、出荷確定、在庫調整、返品、単価改定
- 帳票出力、スプール、プリンターライター
- FTP、CSV、IFS、外部システム連携
- ODBC/JDBC、BI、データ抽出、照会ツール
- 権限、ユーザープロファイル、監査ログ
ここで重要なのは、プログラム一覧だけではなく、業務側の確認順も決めることです。情報システム部門だけで「ログインできたからOK」と判断すると、締め処理や帳票で後から問題が出ることがあります。
切戻し条件を先に決める
IBM iバージョンアップでは、切戻し条件を先に決めます。どの時点までなら戻すのか、どの障害なら継続して直すのか、誰が判断するのか、業務部門への連絡はどうするのかを決めておくと、当日の混乱を減らせます。
- 主要業務が起動しない
- 外部送受信ができない
- 重要帳票が出ない
- 夜間バッチが異常終了する
- データ更新結果が想定と違う
- 復旧見込み時間が業務許容時間を超える
人材継承にも効く
バージョンアップ計画は、システム更新だけでなく人材継承にも役立ちます。現行バージョン、PTF、ジョブ、帳票、外部連携、権限、バックアップを棚卸するため、若手や新しい担当者がAS400全体を理解する入口になります。
人材不足への対策は AS400保守の人材不足対策、Power更新は AS400 Powerサーバー更新チェックリストも合わせて確認してください。
まとめ
IBM iバージョンアップは、AS400を長く使うための重要な計画です。現行バージョン、PTF、アプリ互換、外部接続、バックアップ、切戻し、利用者テストを整理し、業務を止めない形で進めましょう。
