AS400 / IBM i の保守では、用語の意味が分からないまま画面やジョブログを見ても、何を確認しているのか分かりにくくなります。この用語集では、初心者が現場で迷いやすい言葉を、実務で見る場面と一緒に整理します。
なお、AS/400は旧製品名として今も検索や現場会話でよく使われますが、現在の正式な製品名はIBM iです。この記事では、現場で通じやすい表現としてAS400も使いながら、IBM iの現場用語として説明します。公式情報を確認する場合は IBM i公式ページ や IBM Documentation も参照してください。
基本用語
| 用語 | 意味 | 現場で見る場面 |
|---|---|---|
| AS/400 | IBMの旧製品名。現場では今もAS400と呼ばれることが多い | 古い資料、会話、検索キーワード |
| IBM i | 現在の正式名称。IBM Power上で動く統合型OS | 公式資料、現行サポート、製品説明 |
| 5250 | IBM iへ接続する端末画面の形式 | サインオン、コマンド入力、緑画面操作 |
| ACS | IBM i Access Client Solutions。5250接続やSQL実行などに使うクライアント | PCからIBM iへ接続する時 |
| 区画 | LPARとも呼ばれる論理区画 | 本番、検証、開発環境を分ける時 |
ジョブ・バッチ関連
| 用語 | 意味 | 確認コマンド例 |
|---|---|---|
| ジョブ | IBM i上で動く処理の単位。画面操作もバッチもジョブとして動く | WRKJOB、WRKACTJOB |
| バッチジョブ | 画面操作とは別に投入され、裏側で実行される処理 | SBMJOB、WRKSBMJOB |
| JOBQ | ジョブキュー。投入されたバッチジョブが実行待ちになる場所 | WRKJOBQ |
| SBSD | サブシステム記述。ジョブが実行される実行環境 | WRKSBS、WRKACTJOB |
| MSGW | メッセージ待ち。ジョブが応答を待って止まっている状態 | WRKACTJOB、DSPJOBLOG |
| LCKW | ロック待ち。レコードやオブジェクトのロックで待っている状態 | WRKACTJOB、WRKOBJLCK |
ジョブログ・メッセージ関連
| 用語 | 意味 | 現場での見方 |
|---|---|---|
| ジョブログ | ジョブの実行履歴やメッセージが残るログ | 原因メッセージと結果メッセージを分けて読む |
| CPF | IBM iのメッセージIDでよく見る接頭辞。権限、ファイル、オブジェクトなど幅広い | CPFxxxxの前後を確認する |
| RNX | RPG実行時エラーでよく見る接頭辞 | 数値変換、配列、ファイル処理などを疑う |
| MCH | 機械インターフェース系のエラーで出ることがある接頭辞 | プログラム異常やポインター系の問題を疑う |
| 重大度 | メッセージの重さを示す値 | 高い重大度だけでなく、直前の原因も見る |
ライブラリ・オブジェクト関連
| 用語 | 意味 | 確認コマンド例 |
|---|---|---|
| ライブラリ | IBM iのオブジェクトを管理する入れ物のようなもの | WRKLIB、DSPLIB |
| オブジェクト | プログラム、ファイル、ジョブ記述などIBM i上の管理単位 | WRKOBJ、DSPOBJD |
| *LIBL | ライブラリリスト。オブジェクトを探す順番 | DSPLIBL、ADDLIBLE |
| QTEMP | ジョブごとの一時ライブラリ。ジョブ終了で消える | 一時ファイル、テスト出力 |
| QGPL | 汎用ライブラリとして使われることがあるIBM提供ライブラリ | 共通オブジェクト、一時配置の確認 |
| QSYS | システム系オブジェクトを持つ重要なライブラリ | 通常は不用意に触らない |
ファイル・データ関連
| 用語 | 意味 | 現場で見る場面 |
|---|---|---|
| 物理ファイル | 実データを持つファイル。PFと呼ばれることがある | データ件数、項目定義、更新対象確認 |
| 論理ファイル | 物理ファイルを見るための別の見方。LFと呼ばれることがある | キー順、検索条件、参照関係 |
| メンバー | ファイル内のデータ単位。ソースファイルではソースメンバーになる | WRKMBRPDM、DSPFD |
| DDS | ファイルや画面などを定義する記述仕様 | 古いPF/LF、DSPF、PRTFの確認 |
| Db2 for i | IBM iに統合されたリレーショナルデータベース | SQL、ACS、データ抽出 |
| CCSID | 文字コードを識別する値 | CSV、文字化け、外部連携 |
RPG・CL関連
| 用語 | 意味 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| RPG | IBM i現場で多く使われる業務アプリケーション向け言語 | ファイル処理、計算処理、帳票処理 |
| CL | コマンド実行やジョブ制御に使われる制御言語 | CALL、SBMJOB、MONMSG、OVRDBF |
| ILE RPG | 現在のIBM iで使われるRPGの形。プロシージャやモジュール化が可能 | サービスプログラム、バインド |
| 固定形式 | 桁位置に意味がある古いRPGの書き方 | 古い保守ソースでよく見る |
| フリーフォーム | 近年のRPGで使われる自由形式の書き方 | 新しめの改修、可読性改善 |
| MONMSG | CLでメッセージを監視し、エラー時処理を制御する命令 | 広すぎるCPF0000指定に注意 |
スプール・帳票関連
| 用語 | 意味 | 確認コマンド例 |
|---|---|---|
| スプール | 印刷や帳票出力の待ちデータ | WRKSPLF |
| OUTQ | 出力キュー。スプールが置かれる場所 | WRKOUTQ |
| PRTF | プリンターファイル。帳票定義として使われる | DSPFD、WRKOBJ |
| コンパイルリスト | コンパイル結果やエラー行が出るスプール | WRKSPLF |
保守で危ない用語
次の用語やコマンドが出てきたら、初心者だけで判断しない方が安全です。対象ライブラリ、対象ファイル、バックアップ、戻し手順、承認者を確認してから作業します。
| 用語・コマンド | 注意点 |
|---|---|
| CLRPFM | 物理ファイルメンバーのデータを消す。対象間違いが重大事故になる |
| DLTOBJ | オブジェクトを削除する。依存関係とバックアップ確認が必要 |
| RSTLIB / RSTOBJ | 復元先を間違えると既存環境へ影響する |
| 更新SQL | WHERE条件やライブラリ指定を誤ると大量更新になる |
| PWRDWNSYS | システム停止につながるため、権限と承認が必要 |
用語から次に読む記事
- ジョブログ、CPF、RNXで迷ったら AS400のジョブログ確認手順
- MSGWやバッチ停止で迷ったら AS400バッチ処理の確認手順
- ライブラリやオブジェクトで迷ったら AS400ライブラリの確認方法
- PF/LFで迷ったら AS400物理ファイルと論理ファイルの違い
- RPGやCLで迷ったら AS400のRPG保守 と AS400のCLとは
画面に出た用語を「状態・メッセージ・実行経路・保存場所」に分ける
AS400の画面やジョブログで知らない用語が出た時は、単語を一つずつ暗記するより、何を表す言葉なのかを先に分けると調査しやすくなります。現場では、状態、メッセージ、実行経路、保存場所の4種類に分けてから、対象ジョブやライブラリを絞ります。
| 分類 | 代表的な用語 | 最初に確認すること |
|---|---|---|
| 状態 | MSGW、LCKW | WRKACTJOBでジョブの状態を見て、メッセージ待ちかロック待ちかを分ける |
| メッセージ | CPF、RNX、MCH | メッセージIDだけで判断せず、ジョブログで直前の原因メッセージまで戻る |
| 実行経路 | JOBQ、SBSD、JOBD | どこで待ち、どのサブシステムで、どの実行条件を使うジョブかを確認する |
| 保存場所 | LIB、OBJ、PF、LF、IFS | ライブラリ、オブジェクト種別、ファイル定義、IFSパスを区別する |
QSYSOPR・IFS・PTF・JOBDをどこで確認するか
| 用語 | 意味と最初の確認 |
|---|---|
| QSYSOPR | システム運用上の重要なメッセージが届くメッセージ待ち行列です。 最初の確認:DSPMSG QSYSOPR QSYSOPRの確認手順 |
| IFS | ディレクトリーとパスでファイルを扱う統合ファイルシステムです。 最初の確認:WRKLNK IFSの確認手順 |
| PTF | IBM iへ適用する修正プログラムです。 最初の確認:DSPPTF、WRKPTFGRP バージョン・PTFの確認手順 |
| JOBD | ジョブ待ち行列、出力先、ライブラリリストなどの実行条件を持つジョブ記述です。 最初の確認:DSPJOBD JOBDの確認手順 |
用語の意味が分かった後は、対象ジョブ、ライブラリ、発生時刻、ジョブログをそろえて確認します。同じMSGWやCPFでも、どの業務のどのジョブで発生したかによって次の確認先が変わるためです。
社内で用語、画面、コマンド、調査メモの基準をそろえたい場合は、AS400 / IBM i現場向けCodex実戦研修の内容と料金も確認してください。
まとめ
AS400 / IBM i の用語は、単語だけ覚えても現場では使いにくいです。ジョブ、ライブラリ、オブジェクト、ジョブログ、MSGW、物理ファイル、論理ファイルのように、実際の画面や障害対応と結びつけて覚えると、保守作業で迷いにくくなります。
分からない用語が出てきた時は、まず「どの画面で見る言葉か」「どの作業で出る言葉か」「間違えると何が危ないか」を確認してください。そこまで分かると、AS400の保守調査はかなり進めやすくなります。